フランスのリネン
フランスのリネンの質は世界一といわれている。生産量は世界第三位。
フランス語ではLIN(ラン)という。LINGE(ランジュ)という言葉もあるが、LINGE DE TABLE(ランジュ・ドゥ・ターブル)という言葉は洗濯という意味であり、布といえば麻だったのだろう。
現在では多くがノルマンディ地方で作られている。昔はブルターニュ地方で作られていた。
この地でリネンが盛んだった理由に船の帆などに良く使われていたためでもあるが、ブルターニュでは現在でも海のスポーツ選手を多く排出するところでもある。
Cotes-d'Armor(コートダルモール)県の県都Saint Brieuc(サンブリュー)から南へ山に向かって入っていくと、Quintin(カンタン)という町がある。ここがフランスリネンのメッカなのである。Rue
au lin(リネン通り)という通りもあるし、また、リネンの博物館もある。
現在はルーアンからディエップの間の地域がフランスのリネンの中心地である。
トーションというのはいわゆるふきんである。何かを拭いたり、水分をふき取ったり、キッチン周りでは今でも結構使われる。
パリのカフェでも、この古いトーションを使っているところはたくさんある。硬水だから、どうしても、グラスや食器類にも白く石灰が残る。これらをきれいにふき取ったりするのも、トーションである。
アンティークリネントーションと一言で言っても、メティスmetisと呼ばれる麻綿混の物と、ピュルランpur linと言う麻100%ものがある。
フランス人によっては、このメティスのほうが使いよいという人もいる。
トーションも、100%リネンで重量感のあるものは蚤の市でも結構な値段になる。
パリでは屋外に洗濯物が干してある風景を見ることは少ないが、バスクのバスク織にしろ、ロワールのショレにしろ、ブルターニュやノルマンディのリネンにしろ、アルザスのケルシュにしても、庭の物干しで風にたなびいている光景は、なんともいえず清潔感と生活感が漂いほのぼのとする。
蚤の市でお店の人に聞いたところ、アンティークに限らず、リネンは最初お湯ではなく水洗いをする。(洗濯機可)。麻は、洗濯すると縮む。2回目以降は他の洗濯物と一緒に洗っても大丈夫です。
リネンは丈夫で、ガラス類を拭いても毛羽が残りにくく、ぬれてもすぐに乾くのが良いところ。
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