Bolボルは形のごとく、スープ類を入れるものだが、その使われ方は人それぞれ。
カフェオレボウルもカフェオレだけの専売特許というわけではない。何を入れても良い。
アンティークのカフェオレボウルは、主に蚤の市や市中のブロカントで手に入るが、新品のカフェオレボウルも当然あり、これらは街中で買うことはできる。が、やはり、雰囲気という点では、新品はアンティークのカフェオレボウルにには勝てない。いわゆる味というものだ。
コーヒーはフランスの場合、17世紀にマルセイユの港に入ってきたようであるが、ウィーンなどは、街を包囲したトルコ軍が退却したときに、置き去りにされた袋の中にコーヒー豆がたくさん入っていたらしい。
17〜18世紀のヨーロッパは、フランスのブルボン王朝とオーストリアのハプスブルグ王朝の二大王朝時代である。その二つの文化の交流の最たるものが、マリーアントワネットとルイ16世の結婚であるかもしれない。
ウィーンにもカフェオレというものは存在する。これを、ウィーンではメランジェカフェというが、メランジェという単語は、フランス語でかき混ぜるという意味だ。
クロワッサン、ブリオッシュ・・・というヴィエノワーズリーは、マリーアントワネットとともにフランスへやってきた。
いつのことなのかはわからないが、カフェオレはフランスからウィーンへ行ったのかもしれない。もっとも、コーヒーにミルクを入れたのは、フランスが最初というわけではないようだ。
ベルギーでは、カフェオレを頼んでも、いわゆるカフェオレではなく、コーヒーが出てくることがある。通じないわけではない。
2大王朝の影響であるのかどうか、カフェオレボウルはヨーロッパのあちこちで作られている。蚤の市ではフランス、ベルギー、チェコ(写真左)、オランダなどの物をよく見かける。
また、フランスの植民地であった、マグレブ諸国(チュニジア、アルジェリア、モロッコ)のカフェオレボウルもあり、これらは、モチーフに星と月(写真右)が使われており、イスラム文化を色濃く残すデザインとなっている。モロッコのものが多いようだ。ちなみに、この地方の食べ物のクスクスは、パリでも一時大流行して、クスクスのお店が増えたが、チュニジア人の話によると、チュニジア、アルジェリア、モロッコの順で甘くなっていくそうである。カフェオレボウルに、クスクスを入れて食べていた人がいるかもしれない。
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